日本家屋。ぐっすり眠る、癒やしの夜

都会での生活は楽しい。 けれど、少し疲れたときに、都会の喧噪から離れて、田舎にある実家の縁側で何も考えずにぼーっとしたいなと思うことがあります。 古い日本家屋には、マンションや現代の家屋のような快適さはありません。その代わりにそこにいるだけで不思議と心が落ち着く、そんな力があるように感じます。 古民家への宿泊に年々注目が集まっているいま。今回は、町おこしの一環として、観光客の受け入れに取り組んでいる自治体を紹介したいと思います。

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長崎県・小値賀島

九州本土の西に位置し、東シナ海に浮かぶ島々、五島列島のひとつが小値賀(おぢか)島。

美しい原風景が残る小値賀島へは、佐世保からフェリーで3時間、高速船で1.5時間、福岡からフェリーで5時間の船旅で到着します。

実はこの小値賀島、島全体で観光客の受け入れに取り組んでいるんです。

ゲストハウスや民宿もありますが、この島で人気なのが「古民家ステイ」「民泊」のふたつのシステム。

それぞれの特徴を紹介します。

古民家ステイ


武家や漁師の住まいとして100年以上前に建てられた古民家が、それぞれ内装は最新式にリノベーションされ、宿泊滞在施設として開放されています。

宿泊できる古民家は全部で全6棟。まるごと1棟を一組で貸し切っての宿泊となりますので、まるで実際に暮らしているかのようにゆったりと自由な時間を過ごせます。

民泊


古民家ステイと並んで人気なのが、一般の家庭に宿泊し、寝食をともにする民泊です。

お父さんと魚釣りをしたり、お母さんに郷土料理の作り方を教わったり……本当の家族のような時間を過ごせます。

小値賀に住む人々は自給自足の生活を行っていて、採ってきた魚や野菜は、ご近所と物々交換。島のみんなで助け合う文化が昔から受け継がれているそうです。その一員となって、のんびりとあたたかい時間を過ごすことができます。

問い合わせ/おぢかアイランドツーリズム
住所:長崎県北松浦郡小値賀町笛吹郷2791-13 小値賀港ターミナル内
電話番号:0959-56-2646

岐阜県・飛騨高山種蔵集落

岐阜県の飛騨高山の観光名所といえば、世界遺産に登録されている白川郷が有名ですが、そこから車で1時間と少し離れた場所に、日本昔話のような田園風景がひろがる「種蔵(たねくら)」という小さな集落があります。

この地域では、古くから「板倉」と呼ばれる壁に板を使った木造の蔵が大切にされ、穀物や野菜の種、味噌や漬物、冠婚葬祭に使う調度品などの貴重品の保管に使われてきました。そして現在でもその多くの蔵が残っているそうです。

現在、12世帯ほどが暮らしている種蔵集落。過疎化が進むなか、地域をあげて、昔ながらの暮らしを大切にすることや、棚田の保全や地域の活性化に努めています。

その一環として、2008年に飛騨の伝統工法で建てられた風格ある古民家「板倉の宿 種蔵」をオープンしました。

集落内にはコンビニも商店もなく、宿にはテレビもルームサービスもありません。

でも、旅行客は、地元で採れた旬の新鮮野菜や山菜、川魚、手作り豆腐などを使った料理を楽しんだり、そば打ち体験や農業体験をしたり、夜には檜風呂にのんびり浸かったり、囲炉裏のある共有スペースで虫の声を楽しみながら会話をしたり……と、昔の人たちがしてきたような暮らしを体験することができます。

自然の中でゆっくりと過ごす時間は、どんな時間よりも贅沢に感じられるはずです。

問い合わせ/板倉の宿 種蔵
住所:岐阜県飛騨市宮川町種蔵37-2
電話:0577-63-2888

なつかしさにじんわり、癒やしの時間

小値賀島も種蔵集落も、住民が自分たちの地域を愛し、その良さを知ってもらおうと積極的に観光客を受け入れている場所。

古き良き日本の生活を体験して、ゆったりと流れる時間に身をおけば、少し疲れていた心もおだやかになれるような気がします。