読むと恋をしたくなる。恋愛短編小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』

渋谷の喧騒を離れた裏道に、ボサノヴァが流れるワインバーがひっそりと佇んでいます。
お店の名前はbar bossa。このバーのマスターのもう一つの顔は恋愛小説家です。

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「恋愛に季節があるってご存じですか?」

『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』(林伸次・著/幻冬舎・刊)はbar bossaのマスターである林さんが著した恋愛短編小説。バーの客とマスターとの会話というかたちで、さまざまな恋が語られていきます。

「私、なんだか落ち込んでいて。心がときめくようなお酒が欲しいんですけど、そういうのってありますか?」

「それでは、最高の出会いという意味があるキールはどうでしょうか? 夏の終わりにちょうど良い気もします」

マスターにすすめられたキールを口にしながら、女性客が自分の恋について語ります。

「恋愛に季節があるってご存じですか?」

恋愛の春は気になっている相手と距離を近づけていく期間、夏は相思相愛になって幸せの絶頂となる期間、そして終わった恋が次第に冷めていき、いま恋の秋がやってきているのだと彼女は話します。

「秋も楽しんであげないと、私の恋愛がかわいそうですよね。あんなに春や夏を抱きしめたんだから、秋も冬も抱きしめます」

さまざまな恋のエピソード

この小説は恋を季節に例える女性の話から始まり、さまざまな人物が登場し、次々にマスターに自らの恋の話をしていきます。

昔同棲していた彼女との思い出のパン屋さんを訪れた男性。
自分をブスだという女性の初めて恋の話。
女優の卵に恋をした高校時代の思い出を語るサラリーマン。
ひとまわり年下の男の子に惹かれてしまったキャリアウーマン。
そして、70歳をこえた男性のひさしぶりのときめき。

現在進行形の恋も、終わった恋も、始まりかけて始まらなかった恋も。いろいろな恋が、スタンダードナンバーの音楽とお酒のエピソードと一緒に綴られています。

「うまくいく恋だけが美しいわけじゃない」というフレーズを聞いたことがあるような気がします。これまで「そんなの綺麗事でしょ」と思っていたけれど、この小説を読み、ころっと考えが変わってしまいました。

この小説に登場する人たちは自分が経験してきた恋を、それがうまくいったものであれ、いかなかったものであれ、素敵な思い出にしていて、その恋を経験したことで、強くなり、一段ステップアップし、魅力的な人物になったんだなあと感じさせられます。たかが数ページのマスターとの会話だけでそう思わされてしまう、不思議な魅力がこの小説にはあります。

今、恋をしている人も、昔、恋をしていた相手と結婚して家族になった人も、しばらく恋愛から離れている人も、恋っていいなあと感じたり、昔の恋を思い出したり、ひさしぶりに恋をしてみたくなったりするはず。

心がきゅんとして、そしてふわっと温かくなる、2019年の読書はじめにおすすめな1冊目です!

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タイトル:『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』
著者名 :林伸次
出版社名:幻冬舎 「公式サイト」

ボサノヴァが流れるワインバー・bar bossa

この小説を読んだ後、『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』の著者である林さんがマスターをつとめるbar bossaを訪れました。

カウンターで一人静かに、時に林さんとの会話を楽しみながらお酒を楽しむとても贅沢な時間。

また、バーではあるものの、美味しい料理を楽しめるのもこのお店の魅力です。大切な人と静かに語らいながら過ごすのもよいですね。

bar bossaを訪れると『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』の小説の中に入り込んだ感覚を味わえます。林さんの優しい笑顔が出迎えてくれ、心がほぐされ、いつの間にかあなたも自分の恋について語っているかもしれません。
ぜひ小説を読んだあと、訪れてみてくださいね。

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Bar bossa/林 伸次
Twitter :@bar_bossa
Facebook:Bar Bossa
住所   :東京都渋谷区宇田川町41-23 第2大久保ビル1F 「公式サイト」 「公式twitter」 「公式facebook」

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