「いつもありがとう」親友への思いを花言葉にこめて

本当は、そんなこと言うつもりじゃなかった。

友人とちいさなことでケンカをしてしまった。

仕事でミスをして、「わたしなんてどうせさぁ。結局、ダメだよね」そう何度もつぶやいていたら、彼女は大きくため息をついた。

「ウジウジしても何にも変わらないでしょ?」ってめずらしく強い口調で言うもんだから、つい、きつくあたってしまった。

「あなたには分からないよ、わたしの気持ち!」

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入社してからずっと、同期として励まし合ってきた。

はじめて受注して嬉しかったときも、ノルマが厳しくて苦しいときも、となりにいた。

わたしの気持ちが分からない、そんなの嘘。きっと誰よりも、わたしを知ってる。

あやまりたい。それから、大好きだよって伝えたい。尊敬していることも。ただ、距離が近い分、面と向かって「大好きだよ」なんて、照れくさくて言えない。

何か、彼女の好きなものでも贈ろうかな。

「時々、お花屋さんに寄って帰るの。自分で自分にあげるって寂しい?」

いつだったか、笑いながらそう話してくれた。

そうだ、花に想いを込めよう。

友情にまつわる花言葉、いろいろあるみたい。

花言葉に思いをこめて

ゼラニウム
「尊敬」「信頼」
自分が抱く、友人への気持ちを伝えるのにおすすめ。

ワスレナグサ
「真実の友情」「私を忘れないで」
青い色は誠実さの象徴。この友情が永遠であるようにと願って。

ライラック
「友情」「思い出」「大切な友達」
青春の思い出をイメージする花言葉。卒業式や別れの場面で。

チューリップ
「思いやり」
自分から友人への思いやりの心を、素直に花に込めて。

ラナンキュラス
「とても魅力的」「晴れやかな魅力」「光輝を放つ」
晴れ舞台に立つ友人に、今日のあなたは最高に輝いていて素敵です、と。

コスモス
「調和」「謙虚」
相手とすれ違ってしまった時に。もう一度いっしょに頑張ろうと伝えて。

キンモクセイ
「謙虚」「気高さ」
心づかいのできるひと、上品だと思う相手を褒めるのにぴったり。

人にやさしい人でありたい

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金曜日、仕事おわり。彼女に渡したのは、黄色のガーベラ。

「究極愛」「究極美」「親しみやすい」の花言葉で、ずっと一緒にいるひとに贈る花。

あざやかな黄色は、いつも明るくてエネルギッシュな彼女に似合う。

愛とか、美とか、言葉にするのは照れくさいけれど、花になら素直に込められた。

「わぁっ…これ、どうしたの?」
「この前は言いすぎてごめん。私のことを考えて叱ってくれたのに」
「…ううん、わたしもキツく言い過ぎた。ごめんね。」

小ぶりの花束をふんわり抱えて、恥ずかしそうにする彼女。「花の金曜日だし、飲みにでも行きますか!」そう大きく気持ちよく笑う姿は、いつもの彼女だ。

「で、どうしてガーベラなの?」
「さぁ、なぜでしょう。気になるなら、家帰って調べてみて?」
「うわぁ、そういうとこ意地悪だよねぇ。」

そう言って、顔を見合わせて、くすくす笑う。

ひとにやさしくありたい。

やわらかな気持ちでいたい。

相手を想っていることを、心を込めて、丁寧に伝えたい。

そう願うけれど、まだまだ、完璧じゃない。それでもちょっとずつ。

願いは叶うけれど、願うだけじゃ叶わないから。

花言葉からでもいい。何からはじめてもいい。できることを、ひとつずつ。

(文/榧野文香)