突然の妊娠発覚で行ったキャリアの棚卸し。見えてきたたったひとつの大切なこと

20代の頃は、自分が結婚して妊娠し、そして子どもを持つなんてことはどこか他人事に感じていました。もともと結婚願望がそこまで強くなかったことにも拍車がかかり、「自分が母になる」なんてものはどこか夢物語のような感覚。しかし、そんな私も現在妊娠8カ月の妊婦です。命を授かり、喜びに震えるとともに、これからのキャリアをどうしていこうという強い不安にも駆られました。女性のキャリアにおいて、結婚・妊娠に関する課題は、避けては通れない課題。自らの経験を通して、感じた事を綴ります。

lifestyle

新サービスを立ち上げて約半年、妊娠が発覚

shutterstock_3975785442

私はちょうど5年前、26歳のときに会社を作り、同年に新卒で入社した人材系出版社を退職しました。独立当初の事業としては、働く女性たちでビジネスバッグを作るというプロジェクト「GIRLSBAG(ガールズバッグ)」を立ち上げ、製造・販売と、SNSコンサルティングや運用代行を中心に行っていました。その後、2014年12月に、ファッションレンタル事業に参入。しかし、今まで世の中になかったファッションシェアリングの文化を創り出しサービスを浸透させていくことは、資金力も人材もノウハウもなにもかもが不足している弊社のような会社ではかなり難しく、運用はなかなかうまくいきませんでした。それでも2015年10月にサービスリリースし、四苦八苦しながら10カ月が経とうとしていたころ、私の妊娠が発覚しました。

“陽性”の反応結果を見て「……どうしよう」

shutterstock_277568636

包み隠さずお話ししますと、正直私は子どもができにくい体質だと思い込んでいました。もともとひどい生理不順なうえに、社長業は結構なストレスがつきものです。私は今年の4月に入籍しましたが、正直、妊娠できるのはもっと先だろうと。その間、この状態をなんとかしなきゃな、と思っていたまさにそのタイミング。おなかにひとつの命が宿ったのです。
検査薬の陽性反応を見て、嬉しさと同時に「これからどうしよう」と動揺を感じたのは事実です。今、子どもを抱えながら、沈みかかっている事業を立て直すのはかなり困難だ。でも……。

この子は、絶対産みたい

shutterstock_446863804

「母になる」という路を直近の未来として現実視していなかった私でも一瞬にして母性が沸き上がるぐらい、おなかの命は尊いものでした。絶対産んで育てたい。でも、今の状態を駆け抜けるのに、身軽な独り身(結婚はしてましたけど)でこれだけ血反吐をはいているのに、妊娠・出産も同時に乗り越えられるのか?と私が迷いあぐねていたとき、社員の一人が私にこう言いました。

「おなかの子を第一に、自分が本当にしたいことをよく考えてください。私たちのことはいいですから」

心と向き合った、やりたいことの棚卸し

shutterstock_364954439

本来、人の上に立つ立場としては失格なのですが、新事業をやり始めてから、周りの人たちのことばかりを気にして自分自身を見失っていたことに社員たちは気付いていました。したいことをしたくて独立したはずなのに、気付けば「やりたい」ではなくただの責任感だけで動いていて、心がかなりすり減っていたことは自覚しています。妊娠したことをきっかけに、抑圧し続けてきた自分の心と徹底的に向き合い、「本当は何がしたいのか」と心の棚卸しをしました。何をやっているときが楽しいのか、どんな自分になりたいのか、どんな人生を歩んでいきたいのか……。結果、私は今の働き方と望む働き方が異なっていたため、新事業をクローズすることを決断しましたが、事業撤退はともかく、働き方まで徹底的に見直すということは、妊娠というきっかけがなければできなかったことです。

出産後のワークスタイルをどうするか

shutterstock_159694931

妊婦になって一番はじめに思ったことは、一億総活躍社会といっても、やはり妊婦は社会的弱者だということ。「おなかでひとつの命を育てている」ということはすごく立派なことだし、いわば一番生産性の高いタスクのはずなのに、いつどうなるかわからないという身体的リスクを抱えているというだけで、仕事が出産後に延期されることも正直ゼロではありませんでした。「私、もっとできるのに」って、悔しいったらありゃしませんでしたよ。それでも、やっぱり思うのは、そんな悔しさも軽くバネにできちゃうぐらい、わが子はいとおしい。だから、子どもをもし産めるのならば、キャリアだけを重要視して子どもを諦めるっていう選択はなるべく女性の皆様にはしてほしくないなって思います。

shutterstock_474923920

じゃあ、とはいうものの、妊娠・出産したあと、どんな働き方をすればいいのか。正直、これに関して正解はないと思います。専業主婦になるのか、時短で働くのか、フルタイムで働くのか、独立してフリーランスになるのか……。両親含む家庭や夫の協力体制、住む地域によってもかなり変わってくるかもしれません。 私は出産後、自営業+早生まれ出産ということもあり、認可保育園・認証保育園に預けるのはほぼ絶望的のため、自宅やカフェを拠点に子連れで働くワークスタイルにシフトチェンジします。打ち合わせなども馴染みの会社には子連れで行く予定です。
私は比較的自由の利く職業環境だったので、このようなやり方を選択しましたが、最近は働くママに理解のある会社も多数増えています。確かに物理的に働く時間は短くなるかもしれませんが、人間が集中して作業をできる時間なんて、そんな何時間もない。限られた時間でも結果さえ出せば、何も後ろめたいことはないと、振り切ってしまう強さも時には必要です!

そうして見つけた、自分の在り方について大切なこと

shutterstock_475253536

どんなやり方を選んだって、おなかの赤ちゃんは私の選択を見て、一番の味方でいてくれる、今ではそう思っています。ここからは私はまだ出産していないので、憶測での執筆になりますが、聞けば子どもの幸福度って、ママが「幸せそうかそうじゃないか」で結構変わってくるんですって。いわゆる“三歳神話”を信じて、なにより仕事にやりがいを感じているキャリア女性が子どものために泣く泣く仕事を諦めて家庭に入るより、少しコストがかかっても、時短でもいいから働くほうがかえって家庭の幸福度は増すかもしれない。ようは、長さじゃない、質なんだなって、未経験の領域ですが思っているところです。

shutterstock_475551304

これから生まれてくる子どものためにも、私は世界一ハッピーそうな母親になる。そのために自分がよろこぶ働き方ややりがいを見つけていく。それが妊娠をきっかけに気付くことができた、私の棚卸し作業でした。みなさんの参考になれば幸いです。