ごろごろGW〜映画祭り開催のすすめ~

ダラダラ過ごすと決めた、とある日。「たくさんある映画のなかから、なにを観よう!?」というまるでるるぶを読むかのごとく楽しい時間が訪れる。……とは言っても、長いGW、一本や二本ならともかくそれ以上はどう選んでいいかよくわからないし、そんなに興味も続かない……という人もいるかもしれない。心配することなかれ。そんな時は、己の中で“祭り”を開催してみよう。

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さて今年のゴールデンウィーク、いかがしたものか。せっかくなので計画的に過ごしたい。旅行に行く(べらぼうにお金がかかる)、友達と遊びにいく(人混みに揉まれる)、体を動かす(疲れが取れない)、ゆっくり寝る(意外と疲れが取れない)、と色々予定がおありだと思う。素晴らしい……お気の毒に!
別にネガティブな話がしたいわけではないが、国中の欲望渦巻くこの時期を乗り切るには、余程の決意や周到な用意がなければリスクの方が目立ってしまう。

しかし“もったいないから”とどうにか完璧な予定を画策しようにも、結局そのプレッシャーに疲れてなにも計画できず、会社で開かれるちょっと早めのBBQ大会が唯一の予定になってしまった上に「GWの予定の数だけ肉食っていいぞー」と上司が言い出したせいで、腹ペコのまま帰ることになるのだ。
つまり中途半端な計画は焦りを生み、休日の焦りは仕事以上のストレスとなる。そこで今回おススメしたいGWの過ごし方は、ずばり「ゴールデンウィークは家でダラダラ映画を観る」である。なんだ、それなら毎年結局そんな感じに……という人がいるかもしれないがそれとは違う。今年は初めから意思を持って、「家に籠城し、市販のお菓子やお酒を貪りながらダラダラ映画を観る」と予定を決めてしまうのだ。そうなれば、GWが成功と呼べるかどうかは、ひとえにこのダラダラを遂行できたかにかかってくるわけで、もちろんBBQではダラダラした数(?)だけ肉を食べていい。
さて、そんなわけで今回家でダラダラ映画を観る我々のお供におススメするのが、通販大手Amazonが提供する動画配信サービス『Amazonプライム・ビデオ』。これは同じくAmazonが提供する『Amazonプライム会員』になっていれば、追加料金なしで利用できる大変お得な動画サービスだ。ちなみにもしプライム会員になっていなくても、30日間の無料体験を申し込むことができる(2017年5月現在)。そのため、GWだけ映画を楽しんで解約、ということも現実的なため、試すだけでも価値があると言える。
“Amazonプライム・ビデオへのログイン”という旅行などに比べたら至極簡単な準備が済んだらいざ、「たくさんある映画のなかから、なにを観よう!?」というまるでるるぶを読むかのごとく楽しい時間が訪れる。
……とは言っても、長いGW、一本や二本ならともかくそれ以上はどう選んでいいかよくわからないし、そんなに興味も続かない……という人もいるかもしれない。
心配することなかれ。そんな時は、己の中で“祭り”を開催してみよう。

例えば“サスペンス祭り”、例えば“アクション祭り”、もしくは“ジョニー・デップ祭り”。こんな風に自分でテーマを決めて、その導きを頼りに知らなかった作品群にも手を伸ばしてみるのだ。やみくもに未開の地をかきわけるよりずっと簡単なはず。コツがつかめれば、“おじいさんがいっぱい死ぬ祭り”みたいな超ローカルなお祭りも開けるようになる。町内会には秘密にしよう。これは映画鑑賞に限らず、世界に潜む“暇の使い手”たちが日頃実践する余暇の楽しみ方だ。是非この機に習得したい技の一つである。

さてここからは祭りの一例と実際の作品を簡単に紹介していくので、参考にして頂けたらと思う。特に記載のない作品は2017年5月2日時点で無料視聴が可能だが、視聴可能作品は随時更新されるので注意されたい。それでは、さっそく観てみよう!(※のものは有料視聴なのでご注意ください)

シリーズ映画祭り

読んで字のごとく、1,2……と続編を重ねているシリーズ作品を網羅する祭りだ。紹介する作品自体は正直かなりの有名どころで既に観た人も多いかもしれないが、抜けている部分があったり、案外観てなかったなんて人は試してほしい。ちなみにシリーズ映画には“シリーズ・ハイ”ともいえる現象があり、途中つまらないもの(概ね2とか、3とか)が挟まっていても、観続けるとなんだかもう観るしか無くなってくる瞬間がある。是非この快感をつかまえよう。

『ボーン・シリーズ』

マット・デイモンが記憶喪失の凄腕元CIAエージェントを演じる、大人気アクションシリーズ。設定は少々ややこしいが最大の見所はアクションの派手さで、童顔のくせに暗い顔でばったばったと刺客をなぎ倒していく様は、陰鬱だが実に爽快。なおシリーズ4作目の『ボーン・レガシー』にマット・デイモンの出演はないため、童顔アクションが観たい人は注意が必要。

『ボーン・シリーズ』
『ボーン・アイデンティティー』
『ボーン・スプレマシー』
『ボーン・アルティメイタム』
『ボーン・レガシー』
『ジェイソン・ボーン』 ※有料視聴

『ミッション:インポッシブル・シリーズ』

言わずと知れたトム・クルーズ主演のスパイ・アクション。こちらはボーン・シリーズと違ってチームものなので、ストーリーはより娯楽色が強く、アクションもトムが高層ビルの窓に張り付いたり、離陸する飛行機にしがみついたりとバカバカしくてやめられなくなる。

『ミッション:インポッシブル・シリーズ』
『ミッション:インポッシブル』
『ミッション:インポッシブル2』
『ミッション:インポッシブル3』
『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』
『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』

『ビフォア・シリーズ』

『スクール・オブ・ロック』、『6才のボクが、大人になるまで。』のリチャード・リンクレイター監督による、ひと組のカップルの数年に及ぶ物語。9年おきに公開された本シリーズは物語のふたりも実時間と同じく9年、また9年と歳を重ねており、それだけに劇中で二人が過ごす1日という時間が眩しい。ビフォア・シリーズは、ただ”お喋りをしながら街を歩く”だけで、唯一無二のラブストーリーとなるのだ。

『ビフォア・シリーズ』
『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)』
『ビフォア・サンセット』
『ビフォア・ミッドナイト』 ※有料視聴

『ゴッドファーザー・シリーズ』

この流れでなぜ突然!?と思われた方もいるかもしれないが、れっきとしたシリーズなので仕方ない。巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督によるマフィアの一家を描いた傑作で、今なお世界中の映画人から愛されている-と書くと古くて難しい映画に聞こえるが、一度観始めればハマること間違いなし。なぜなら、戦後のニューヨークマフィアの話なのに、それは紛れもなく“家族”の物語だからだ。

『ゴッドファーザー・シリーズ』
『ゴッドファーザー』
『ゴッドファーザー PART II』
『ゴッドファーザー PART III』

最強の男祭り

お次は祭りの中の祭りとも言える、最強の男祭り。こう書くとすぐにシュワちゃんなんかを想像してしまう人が多いと思うが、少々軽薄と言わざるを得ないだろう。最強とはなにも腕っ節だけを差すわけではない。強さには色々ある、この祭りはそんなことを考えるいい機会になるかもしれない。

『コマンドー』

アーノルド・シュワルツェネッガー主演のアクション映画。軽薄だけど、やっぱシュワちゃんだよね。無論スタローン以外からの文句は受け付けない。元軍人の男が娘をさらわれ取り返しに再び戦場に赴くのだが、相変わらず人より肌の露出が多いくせに誰よりも強い。どんな状況にしろ、女の子はあんな格好で父親に迎えに来て欲しくないだろう。しかし強い。

『96時間』
 
娘を誘拐された元CIA工作員が、娘を救出するべく敵の正体に迫っていくサスペンス・アクション。この映画の特筆すべきは、強さが一直線なこと。リーアム・ニーソン演じる父親は96時間という人質生存のタイムリミットもあって、脇目も振らずにどんどん進んでいく。賛否が分かれるところでもあるが、はっきり言って観ていて負ける気がしない。

『マスク』
 
仕事もプライベートも冴えない銀行員の青年が、偶然手に入れた太古のマスクをつけると、まるで魔法のような力を手に入れ……という90年代を代表するコメディ。なぜマスクが最強の男かというと、マスクをつけると“なんでもあり”になるからだ。肩を並べるとしたらアラジンに出てくるジーニーくらいで、つまり誰かがランプを擦らなければ、マスクはほとんど最強の存在に近い。そして、主演のジム・キャリーの顔はずっと面白い。ずっとだ。驚異的である。

『ミセス・ダウト』

妻と離婚して子供たちと引き離されてしまった中年の男は、子供たちに会うために、老婦人の家政婦ダウトファイアー夫人として女装して妻の家に潜り込むことに成功するが……。『ホーム・アローン』のクリス・コロンバス監督、ロビン・ウィリアムズ主演のどたばたコメディ。子供たちへの愛のために、パンストを履く。これぞ、最強の男の名にふさわしい。

ハラハラ祭り

サスペンス、ホラー、スラッシャーなど、時に映画は観客を登場人物と同じかそれ以上にハラハラさせてくれる。結果、私たちは座っているだけでカロリーを消費できる(気がする)。世間の緩みきった雰囲気を横目に、ダラダラと緊迫した世界に入り込もう。

『アルゴ』

イランで実際に起こったイランアメリカ大使館人質事件を描く、俳優ベン・アフレック主演・監督作品。6人の大使館員がイランから脱出するために『アルゴ』という架空の映画のスタッフに扮するという現実離れした作戦は、最後まで命がけの緊張が張り詰めている。本作はアカデミー賞作品賞を受賞し、監督としてのベン・アフレックの名を世間に知らしめた。

『フライト』 

冒頭、操縦不能になった旅客機をデンゼル・ワシントン演じる機長が不時着させるまでの25分は、およそ画冒頭とは思えないスリルを味わえる。しかし映画はそこから、機長の薬物使用疑惑という別のスリルへと急降下していく。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のロバート・ゼメキス監督。

『遊星からの物体X』

B級ホラーの帝王、ジョン・カーペンターによるパニックSF。閉ざされた南極基地での隊員たちと異生生物との戦いを描いたいわゆる“エイリアンもの”だが、本作の異性生物は、様々な生物の形状を混ぜ合わせたような異形で大変気持ち悪い。しかも人間に寄生した後も“普通の人間”のように振る舞うので、「こいつ、もしかして……」と仲間を疑い合いながら戦う心理戦が、アクションに異質なストレスを加えている。

『エスター』

孤児院から引き取った9歳の可愛らしい少女は、やがて家族をめちゃくちゃにしていった……。ホラーを彩る“恐ろしいもの”にはいくつかパターンがあるが、少女エスターはなかなか私たちにその尻尾を掴ませない。数多くある子供を題材にしたホラーのなかでも、本作の悲劇的な真相は確実に私たちの“嫌なところ”をつき、新しい恐怖を呼び起こす。

ラブコメ祭り

ラブコメが大嫌い、という人がいるとしたらなんと悲しいことか。そんな人がいたら愛と笑いを携えて、抱きしめてあげたい……嘘、関わりたくない。とにかく最後にラブコメ祭りのことを考えられるだけで、なんだか得した気分になる。あとは、極端なハズレを引かなければいいだけだ……!

『2番目のキス』

『メリーに首ったけ』などで知られる、コメディの名手ファレリー兄弟監督作。野球チーム、レッドソックスの大ファンである数学教師と、仕事人間のOLの恋を描く。人生の転換期にお互いが抱えて来た譲れないものをどう手放すかという耳の痛い葛藤が、笑いとともにほどけていく。変な顔したドリュー・バリモアが、愛おしくてたまらない一本。

『ラブ・アゲイン』

結婚生活25年目で妻に浮気された真面目な中年男が、若いナンパ師の教えを受けてモテ男へと変貌して新たな恋愛に踏み出そうとするが……。主人公の家族全員がおかしな恋愛にのめり込んでいて、「お前ら全員落ち着けよ」と言いたくなるヒューマン・コメディだが、特筆すべきは『ラ・ラ・ランド』のライアン・ゴズリングとエマ・ストーンが恋人役で共演していることだろう。

『世界にひとつのプレイブック』

妻と別れてうつ状態の男と、夫との死別によりセックス中毒に陥りセラピーを受ける女が、ダンスを通じて心を通わせていく大人のラブコメディ。監督は『ザ・ファイター』のデヴィッド・O・ラッセル。ジェニファー・ローレンスは本作でアカデミー賞主演女優賞に輝いた。迷っている人は、ゴミ袋を被って街をジョギングする主演のブラッドリー・クーパーだけでも見てやってください。

『21ジャンプストリート』
 
新人落ちこぼれ警官のジョナ・ヒル(ぽっちゃり)とチャニング・テイタム(マッチョ)が潜入捜査のために高校に通い、遅れて来た青春と警察としての職務に奮闘するというアクションコメディ。ラブコメ祭りなのにラブがない!という悲鳴が聞こえそうだが、凸凹バディの喧嘩したり力を合わせたりという関係性は、もうラブコメと言っても過言ではない。過言であっても取り下げない。面白いから、取り下げない。

以上、参考になる祭り、作品はあっただろうか。
ところで連休が明けて、「え、それって結局ずっと家にいただけでしょ」と言ってくるような“世界狭症(せかいせまいしょう)”のやつがいるかもしれないが、もちろん相手にしなくていい。そりゃ外にも出よう。BBQに顔を出すのもいいし、ぶらぶら散歩するのもありだ。もしくは悪くないラブコメなんかを観終わったあとの夕方、近所のスーパーへと続く空は最高に気持ちいい。
最後に「春の映画が入ってないじゃないか!」という人は、ハーモニー・コリン監督『スプリング・ブレイカーズ』を観よう。内容は書かないが、ある意味今日薦めたどの作品よりも“ブッとんでいる”。「こんなの私たちの知ってる春じゃない!」という人もいるかもしれないが、住む国によって、春も違うのだ。
それではダラダラと、素敵なゴールデンウィークを。