他人事じゃない!親族と揉めないために……。遺言書を事前に用意してもらうメリットとは

遺産相続と聞くと、思い当たるのはセレブのゴシップ? 実はLiBzLIFE世代にとっても非常に身近な問題で、トラブルが絶えません。親族間の骨肉の争いをしていては亡くなった大切な方も浮かばれないはず。無用なトラブルを防ぐために、ご両親に遺書を書いてもらうことをおススメします。

lifestyle

テレビドラマだけの話じゃない、相続トラブル

わずかな額でも相続トラブルに。その多くが配分をめぐる個々人の主張のぶつかりあいです。

遺言書は、その後の遺族の行動を決める大事な指針

遺言書によって、遺族の総意をまとめることなくスムーズに相続を遂行できます。

遺言書の作成で見えてくる相続の手順

「誰が、何を、誰に」相続できるのかをイメージしたうえで、遺言書の相談をすれば納得のいく相続が可能に。

専門家に相談して無理のない手続きを

亡くなった方の意志を尊重し、残された人たちの円満なつながりを続けていくためにも事前の準備を。

実は多い、相続トラブルの原因って?


いつかは誰にでも訪れる大切な人との永遠のお別れ。時間をかけて別れを悼み、次の自分の人生を歩みだしたいところですが、そうもいかない現実が。例えば、こんな事例が

兄弟は独立して、自分は実家に残り親の面倒を見ていたAさん。親の介護をしていたときは兄弟から感謝されていましたが、親の死後、相続となると態度が一変。「親の金で生活していたじゃないか」と、兄弟に有利な遺産分配を迫ってきたのです…

つまり、亡くなった後に私たちに降りかかる相続トラブルです。
相続というと資産家の間で起こるテレビドラマのような出来事を想像しがちですが、実は非常に身近なトラブルで、何も大きい金額の金融資産ばかりが相続の対象ではありません。土地や、株式、事業、さらには負債も相続の対象に。わずかな額でも相続の対象ですが、実際に1000万円以下の比較的少額をめぐるトラブルでさえ少なくありません。どんな遺族にも起こりうる相続ですが、それがトラブルにつながる遺族である親族間と亡くなった当人の間で取り決めがなかったから。この場合の取り決めは法的な拘束力をもたねば解決に繋がりませんが、それは「遺言書」のことです。
たった遺言書が遺されていなかっただけで起こってしまう深刻な親族間トラブルは後を絶ちません。さらにいったん揉めてしまえば、親族間に入った亀裂は深く修復不可能に……。
こうなる前に早く手を打つためにも「遺言書」をご家族や親族の方と検討したいですが、センシティブで難しいイメージも。でも、実は円満かつ簡単に遺書を作成できます。

トラブル予防としての遺書


例えば、遺言書がないためにこんな事例が

Aさんは大学院進学や留学の際、親から金銭的支援を受けていました。また、妹は結婚時のマンションの購入の支援を。親が亡くなりいざ遺産の分配となったとき、こうした生前に受けた支援の金額をめぐって2人は激しく言い争ってしまいました…

相続問題は、遺族の総意を伴う遺産分割協議によって決めなければならず、残された私たちがひざを突き合わせて時間をかけて話し合ったところで解決が難しい……。以上のようなトラブルが起こらずとも、遺言書がない場合の相続の合意形成と手続きは基本的に煩雑です。
もちろん全てのトラブルを事前に解決することはできませんが、事前にご家族に遺言書を執筆してもらえば

・遺産分割方法や相続分の指定
・5年以内の遺産分割の禁止
・相続人の廃除
・公益団体等への寄付

といった遺産の配分やその手続きを指示してもらえます。これに従えば遺族の総意をまとめる手順をふまずスムーズに相続が可能になります。
さらに、「付言事項」を忘れずに書き加えてもらうことで入念な相続を取り計らってもらえます。付言事項は法的効力を直接発生させることを目的とはしないですが、家族へのメッセージや葬儀、納骨についての意志を残すことができます。比較的自由に記述できる付言事項によって遺産相続の意図を説明することができ、一方で私たちは亡くなられた方の想いとして受け取ることとなります。

相続の手順は知っておいて損はない!


相続で起こるトラブルは遺言書によって未然に防げますが、相続手続きの煩雑さについてはやはり注意が必要です。ぜひ、関係者の余裕があるときに、ご両親と一緒に専門家の手を借りて事前に手続きを済ませておくことをおすすめいたします。その際に混乱しないためにも、「誰が、何を、誰に」相続できるのかを事前に知っておくとよいでしょう。

・誰が
民法上は満15歳以上であれば単独で遺言書を作成できます。ただし意思能力の有無を問われますので、ご高齢の場合は作成ができないと判断されることもありますので注意してください。
遺言書は法的拘束力を持つ書類ですが、書き方や保管方法、家庭裁判所の検認の有無によって種類が異なります。費用や内容に応じて最も適したものを選んでください。重要なのは、ミスや不備のない遺言書を書くこと!

・何を
遺産は何もプラスの資産だけでなく借金なども含みます。相続をする人はその内容を見ながら、すべてをそのまま相続(単純承認)するのか、借金を相殺した余剰分を相続するのか(限定承認)、すべて放棄するのか(相続放棄)を選んで手続きに入ります。

・誰に
民法において誰が相続人となれるかについて規定があり、これを「法定相続人」といいます。また、法定相続人における相続分も規定されており、これを「法定相続分」といいます。法定相続人には順位が決められており、これに応じて法定相続分の大きさは変わります。また、「法定相続人」には一定の理由によって相続資格をはく奪されないかぎりにおいて、最低限の相続分である「遺留分」が認められています。
これらの前提のもとさらに相続を認める人を増やすことや、遺留分を超えた範囲における配分の調整を遺書によって決めることができます。

自筆の場合は、細かいチェックを
以上を踏まえて書くときに、自筆遺言書の場合は法的効力を持つための細かい規定があります。すべてのチェック事項を満たすためにも、公正証書遺言や弁護士立会いの下効力のある遺言書を遺した方がより確実です。

親族間の無用なトラブルを避けるためにも遺言を


さらに、遺言書があっても、納得しない遺族との間の解決できない争いはやはり裁判沙汰となることも。その場合にはやはり弁護士に頼らざるを得ません。
そうはいってもやはり、遺言書の作成によって事前に合意を持っておくことで、たいていのトラブルは回避されることも事実です。また、事前の心構えによって余裕が生まれギスギスした関係が生じないという精神的なメリットもあります。「生きているうちにそんな話をするのは失礼かも」と考えて遺書の相談をすることも躊躇しがち。でも、その人を取り巻く人たちが残された後も円満につながっていけるように、私たちから話を持ち掛けて準備をすることで、いずれ訪れるお別れの時も穏やかに迎えられそうです。