その残業代、諦めるにはまだ早い!知っておきたい交渉ポイント

働いていると、どうしても発生してしまう残業。毎月、適切に支払われているでしょうか? もし支払われていないかも……と疑問に思ったら諦めないで。働いた分はキッチリ払ってもらえるよう請求できます。

lifestyle

POINT:1分を超えた時点で残業

法的な労働時間を超えた場合は原則すべて残業に。意外な活動が残業としての労働とみなされることも。何が残業とみなされているか、それに対して適切に支払われているかは確認しましょう。

POINT:開示請求もできる労働時間

残業請求をするために、労働時間の記録を保管しましょう。もし、手元になくても大丈夫。企業側が3年間保管しなければならず、それを開示するよう請求もできます。ただし、好意的とは限らないため自分で管理することをおススメします。

弁護士に相談がベター

労働に関する専門家はいくつか考えられます。たとえば、労働基準監督署は無料相談などが可能です。ただし、企業側との対等な交渉の場に立ってくれる、プロである弁護士がベスト。

泣き寝入りするにはまだ早い残業代

もしもの時のための知識が頭の片隅にあると、慌てず速やかに行動できます。

残業代を諦めないための基礎知識


無縁とはいかない、残業。働いた分の対価として適切に支払ってほしいものですが、実際には残業代が支払われない、あるいは非常に低い時給しか支払われない……というケースも少なくないようです。そして出なかった残業代については「手続きが煩雑で気が遠い……」とか、「申請をしても却下されてしまいそう……」と思い至って泣き寝入りをしてしまい諦めてしまいがち。それでも諦めるにはまだ早いのです! 例えば以下のような事例が……。

営業でバリバリ働くAさん。責任感もありフットワークも軽い彼女は時間外残業や休日出勤もしょっちゅう。残業代の支給についても、営業職には営業手当がついているので、それが残業した場合の残業代に相当すると言い渡されて納得していました。残業が減ることはなく増えていく一方でしたが、営業手当は全く増額されないままでした。
徐々に不満が溜まってきたAさんは、友人に相談して転職へ。さらに転職後も残業代の未払い請求ができる可能性を教えてもらいました。実際に調べてみれば、営業時間外の勤務時間数に比べて営業手当が低い場合はその差額について残業代として請求できることが判明。それならばと、請求することを決めたAさん。時間とお金のかかる裁判は躊躇しましたが、専門家に相談したところ、裁判でなくとも取り戻せることに。会社側もAさんの請求を認め100万円近い金額の残業代を手にできました。

「好きな会社や職場で働いているとはいえ、正当なお金を得られなければ仕事も辛い……」そうしたジレンマに陥らないためにも、利用してほしい残業代請求。そのためにまず知りたいのは残業の定義。どの範囲までが勝ち取れる残業代なのかをはまず把握しましょう。

■残業について
原則として労働基準法に定める「1日8時間、週40時間」を超える労働は残業に。さらに休日については「週1日以上」と規定されています。労働基準法36条では1ヶ月50時間を超える残業は禁止。なお、法解釈上労働とみなされる活動については細かく決められていますので、残業と思っていなかった活動にも残業代が出ることもあります。
ただし、高度に専門的な職業の裁量労働制といったみなし労働時間を採用する場合や、年俸制では必ずしも残業代を支給されないことも。さらに会社側と締結した雇用契約書就業規則によっては残業代の対象が異なることもありますので、注意して読むべきです。

証拠集めは入念に、無くても諦めないで!


残業代請求の流れは大まかに、
残業時間・休日労働時間の把握、その根拠となる証拠集め → 残業代請求額の算定 → 会社へ内容証明郵便発送 → 会社との交渉 → 請求金額の回収
となり、会社との折衝や労働時間把握のために労働基準監督署や弁護士などの専門家へ相談することも可能です。会社との交渉が不調となれば、労働裁判さらには訴訟という手続きを踏むことがあります。
なお、残業代請求の時効は2年と定められていますが交渉次第ではこの時効を超えて請求できる可能性もあり、あきらめず交渉しましょう。
このプロセスで重要なのは、証拠集め!例えば以下のようなものが証拠能力があるとされます

・職場のタイムカード
・パソコンのログデータ
・会社のパソコンのメール履歴
・手帳や日記のメモ

もしこれらの証拠が手元になかったとしても、諦めるにはまだ早いです。なぜなら会社には労働者の勤務時間を管理し、その記録3年間保管することが義務付けられているからです。この記録をもちろん開示するよう求めることで残業時間を把握することができます。また、手帳や日記にある終業のメモは証拠としての能力が低いとみられがちですが、判例では証拠としてみなされたこともあり客観的な証拠として有効です。
また、証拠収集は慎重に!企業側に先回りをされ隠滅される可能性も考えられるため、なるべく事前に手元へ保管しましょう。

プロに依頼し負担のない交渉を


請求のプロセスにおいて、専門家に助力を求めるのは非常に有効な手段です。なぜならば、残業代請求の場合、その立証責任は請求者である労働者にあるためです。つまり企業はあくまで動かされる側です。企業を動かすために、明確で客観的な証拠をそろえ交渉する必要がありますが、たった一人で企業相手に交渉するのは現実的ではありません。対等に交渉するためには専門家の手を借りる必要があります。
労働基準監督署は無料で相談ができるほか、残業代の計算など請求のプロセスにおける様々なニーズにこたえてくれます。ただしできるのは斡旋手続きまでであって法的拘束力のある解決策は持っていません。したがって、交渉が望むように進行しない可能性があります。
ここで、弁護士に依頼することが次に考えられます。弁護士に相談・依頼するメリットとして

・労力を省くことができる
・法解釈・適用について熟知している
・対法人でも丸め込まれることはない

働きながら残業代請求をすることがほとんどのため、時間をあまりかけられないというときに専門家へその労力を依頼することは、生活を守るうえで非常に合理的です。また個人が弁護士でない限りは、労働に関する膨大な量の法律を運用して企業と交渉することは難しいです。したがって、高度に専門的な交渉を法人相手に進める場合はやはりプロの手を借りるべきといえます。
弁護士のと相談によって、幅広い選択肢の中から自分に合った最適の方法で確実に残業代を取り戻しましょう。

やりがいと残業代は両立できる


日々の残業や休日出勤。どうも残業代が少ないと感じたらまずは証拠集めから。あらかじめ残業代請求のプロセスを知っておくことでいざとなったときはスムーズに動くことができて、そのことで頭をいっぱいにしなくて済みます。もちろん残業代がしっかりでる企業で働くことができればいいですが、もしもの時のための心構えと知識は備えておきましょう。