LiBIzLIFE的読書 14:00 『ロルカ詩集』

life読者に読んでほしい漫画・エッセイ・小説etc...を、読後の連想で紹介していく緩いコーナー。一日のうちでおススメな時間帯とともに一冊を紹介。

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夏の気持ち


ガルシア・ロルカは20世紀、シュールレアリスムが流行る頃の詩人。戯曲も書いていて、『血の婚礼』は有名でそのほとばしる情念が悲劇を導く。スペイン・アンダルシアの作家で、情熱の国らしい作品が多い。ただ、その素朴でカラッとした印象もある作風はあくまでアンダルシアに根を生やした作家としての矜持。その乾き具合が欲しくなるのが、夏である。

夏っぽいものを探しに。まだ今年は海にもプールにも行ってないしアウトドアはもうそろそろ期待もできそうもない。だから夏らしい光景でも見に行けたらと思う。ビビットな色遣いと開放的な海辺があればそれで事足りるだろう。だから、地中海やラテンのような地域の雰囲気にあこがれる。ただ、もしそこに行けるのであればフラメンコを見に行くだろう。そうしたら夏っぽい光景を歓ぶことはメインにならないかもしれない。そこでもっと欲しいのは、うだるような暑さの中のまとわりつくような情念である。フラメンコの動きとリズムはそれを欲しがらせるにはピッタリだ。ここで、夏っぽいものとして欲しがっていた光景は、スペインあたりを経由して夏の心情へと結びつく。その心情はうずまく情念でありつつも、乾いているので夏っぽい気候みたいだ。
「見たい」という視覚的な欲求から、肌触りや内面的な何かへ欲求はしかしもう一度視覚的な欲求へと還ってくる。つまり詩を読んで心の中に浮かぶ光景だ。

 なぜ私は鏡の間に生まれたのだろう?
昼はわたしの周りをめぐり歩く。
そして夜は そのすべての星の中に
私の姿を写し取る。

舞台みたいな気持ち


詩の読み方はよくわからないし、詩集の解説を見ればどう読めればいいか書いてある。ただ、ロルカを読んで描く心の中のアンダルシアは、まるでどこかの場面を切り取ったかのよう。アンダルシアの光景を切り取っただけではないこの「場面」みたいな言葉運びは、アンダルシアの雰囲気や感情を巻き込んで飛び込んでくる。目で見てわかる情念。もしどこにでも、夏っぽい光景をもし見に行けるのであれば、この詩を思い起こすことができるようなどこか(空想でも、外国でも)がいい。

オレンジ畑に
夜が明けた。
金の小さな蜜蜂たちが
蜜を探してとんでいた。

ロルカ詩集
■作者
ガルシア・ロルカ
■翻訳
小海永二
■出版社
土曜美術社出版販売