LiBzLIFE的読書 16:00 『高慢と偏見』

life読者に読んでほしい漫画・エッセイ・小説etc...を、読後の連想で紹介していく緩いコーナー。一日のうちでおススメな時間帯とともに一冊を紹介。

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落ち着いた生活?


今年でジェーン・オースティンが亡くなって200年になる。欧米の新聞各紙ではそれなりに話題となった。『高慢と偏見』は、幾度となくドラマや映画となり最近はゾンビにもなった。作品としてというか、コンテンツとしてはすごい息が長い。作品自体はミニマルな人間関係の中の繊細な人間模様を描く。そこから多くのことを学び取ることもできるけど、まずはこの箱庭のような世界観が素晴らしいと思う。

自分の周りの人間を観察してみると実はそんなにバラエティ豊かではない。いくつかのコミュニティにはいるけれど、そこでは比較的安定した人間関係がある気がする。出来事が何もないわけではない、むしろ色々ある。ただ広く見ればそんなに珍しい話ではない。一方で強烈な人も中にはいる。そうした人が知り合いであるのは誇らしいけど、自分はといえばそうはならない。
結局、周りを観察しみていると安定しているように見えるのは、自分がそれを望んでいるからだと気づく。だから「もっと自分を変えていかないと!」というよりもこうしたささやかな環境を楽しめるようにしたいとさえ思っている。

日常のワンシーン


自分の大切な箱庭として日常を眺めると、色んな友人との交流もまるで映画やドラマのワンシーンのようだと感じることがしばしばある。彼らはまるで登場人物のように話すのだ。もちろんそんなことを面と向かって言ってしまえば、「真面目に人の話を聞け」と怒られてしまうだろうから言わないけど。ただ、自分だってそうしたシーンの登場人物の一人なのだ。その役回りといえば、いつも何か日常に変化が訪れないかと願っている素朴な主人公。だから、色んな人とコミュニケーションするたびに実はこれは重大な出来事の前触れなのではないかと期待もしてしまう。

ささやかな日常の楽しみ方は、イベントを起こすとかということだけではないと思う。普段の何気ない瞬間をワンシーンのように切り取ってみると、急に見えてくるものがある。

高慢と偏見
■作者
ジェイン・オースティン
■翻訳
小尾芙佐
■出版社
光文社

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