私たちの老後は大丈夫!?年金制度のこれからと今からすべきこと

高齢になり働けなくなった時や病気やケガにより働けなくなった時にも頼れる公的年金。しかし、少子高齢化により受給額が減ったり受給開始年齢が引き上げられたりと、私たちの将来への不安は高まるばかりです。今回はそんな年金制度について、将来の見通しや私たちができる対策をご紹介します。

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働き方によって加入する年金や受給額が変わる“公的年金制度”

公的年金には日本国内に住む20歳以上の方全員が加入する「国民年金」(基礎年金)と会社員や公務員の方が加入する「厚生年金」の2つがあります。

【国民年金】
日本に住んでいる20歳から60歳未満のすべての方が加入。国民年金のみに加入する方(自営業・学生・無職)などが月々納付する年金保険料は定額(平成29年度時点で16,490円)です。
国民年金(基礎年金)の支給開始年齢は65歳で、納付した期間に応じて給付額が決まります。20歳から60歳の40年間すべて保険料を納付していれば、月額約6.5万円(平成29年度)の満額を受給することができます。
 
【厚生年金】
会社などに勤務している方が加入する年金です。保険料は月ごとの給料に対して定率となっており(平成28年度末現在で18.182%)、実際に納付する額は個人で異なります。
また、厚生年金は事業主(勤務先)が保険料の半額を負担しているので、実際の納付額は、給与明細などに記載されている保険料の倍額となります。
従来の支給開始年齢は60歳でしたが、2025年度(女性は2030年度)には65歳になります。

つまり自営業や専業主婦の方が受給できるのは国民年金のみ。会社員の方は国民年金に上乗せして厚生年金も受給できます。

制度を維持させるために国が行う“財政検証”

現在の日本の公的年金の財政方式では現代世代から納められる保険料が、そのときの公的年金の主な財源になるので、少子高齢化によって現代世代の保険料負担が大きくなることは事実ですが、とめどなく保険料が上がるということはありません。
平成16年に改正する前の制度では、5年ごとに給付水準を固定した上で、保険料の段階的な引上げ計画を再計算する「財政再計算」が行われていました。しかし、想定以上のスピードで少子高齢化が進行したため、平成16年に年金財政の枠組みを抜本的に改正し、保険料の引上げスケジュールを固定した上で、自動的に財政のバランスを取る仕組みを導入しました。固定された財源の範囲内で給付水準を自動的に調整することによって、給付と負担の均衡が図られる財政方式に変化したのです。

私たちの老後はどうなるの?受給額の将来的な見通し

年金を受け取り始める時点(65歳)における年金額が、現役世代の手取り収入額(ボーナス込み)と比較してどのくらいの割合かを示すものを「所得代替率」といいます。「所得代替率50%」の場合は、現役世代の手取り収入の50%を年金として受け取れるということになります。所得代替率は収入によって異なり、一人当たりの平均所得が高い世帯ほど所得代替率が低くなります
40年間厚生年金に加入し、その間の平均収入が厚生年金(男性)の平均収入と同額の夫と、40年間専業主婦の妻がいる世帯(モデル世帯と言います)の所得代替率の将来的な見通しは、平成26年財政検証では50%前後を維持するとされています。

安定した老後の生活を送るために今できること

年金制度があるからといって安心できる状況ではない現代、やはり自分でも貯蓄を増やすことや、資産を運用することも頭に入れておかなければなりません。ここで今からでも始められる2つの制度をご紹介します。

◆個人型確定拠出年金(iDeCo)
任意で申し込むことにより公的年金にプラスして給付を受けられる私的年金のひとつです。国民年金や厚生年金と組み合わせることで、より豊かな老後生活を送るための一助となります。加入者自らが掛金を拠出し、自らが運用方法を選び、掛金とその運用益との合計額をもとに給付を受けることができます。

◆積み立てNISA
特に少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です(2018年1月スタート)。対象商品は、手数料が低水準、頻繁に分配金が支払われないなど、長期・積立・分散投資に適した公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)に限定されています。

こういった制度を活用し、老後の生活はもちろんのこと、ケガや病気で働くことが困難になった場合も安心して生活が送れるよう備えをしておきましょう。年金が受給できなくなるということはありませんが、現代を生き抜く上では、足りない分は自分で補うという考えを持っておくことが重要になるでしょう。

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