いきづまったときに読んでほしい……ブータンのことわざに学ぶここちよい生き方のヒント

「あなたは、しあわせですか?」 2005年、国勢調査の質問に国民の97%が「はい」と答え、一躍注目を集めた国がありました。 ヒマラヤ山脈に囲まれた九州ほどの小さな国、ブータンです。東日本大震災で被災した2011年に、美男美女の国王夫妻が訪れたときにも話題になりました。今年、日本とブータンは外交関係樹立30周年を迎えました。上野の森美術館でブータン展が開かれたり、8月末まで日本人を対象に航空運賃やホテルの割引があったりと、ひそかに盛り上がっています。

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家族の具合が悪いからと1カ月休んでも、みんながそれを受け入れる国。
たとえ死んだのが牛だとしても、3日間は喪に服せという国。
生花を切ってまで飾らない国。
初雪が降った日はお休みをして、その年の豊作をお祝いする国。
「美しい自然を100年後、200年後の子孫に残せるなら、私たちは世界の中で2周遅れのランナーであってもよい」と国王が述べる国……

そんな彼らが「しあわせ」と感じるひみつはどこにあるのでしょう。
今回は、私が感銘を受けた言葉を、筆でおこし写真と共にご紹介します。

 

仕事を理由に、おろそかにしているものはありませんか?

服は季節に

「服は、季節に合わせて着なさい。食べ物は、ふさわしい時間に食べなさい」

しかるべきときにしかるべきことをしなさいというブータンのことわざです。ブータンでは、どんなに忙しい人でも、きちんと時間を取って食事をするそうです。特に夕食は家族と過ごす大事な時間。家族との時間に癒されて、次の活力を養うのです。忙しさに追われて、見えなくなるものがあるのではなく、見ないようにして突っ走っているのは自分かもしれません。今大事なこと、今すべきこと、もう一度見直してみませんか。

 

何かに追われる日々を送っていませんか?

ゆっくり歩けば

「ゆっくり歩けば、ロバでもラサまで行ける」

ラサはお隣チベットの都市。ブータンから見れば外国の街。途中の道も険しく、本来馬で行くのも困難な場所です。それなのに、馬より非力なロバでも行けるというのです。これは、ブータンの人がうまくいかない人を慰めるときに使うことわざ。「ゆっくり歩けば必ず目的は遂げられるよ。」行き詰ったときこそ深呼吸。大丈夫、踏み出した足は、1歩ずつでも目的地に近づいているはずです。

 

今の自分をしあわせだと思いますか?

しあわせとは

「しあわせとは、自分の持っているものを喜ぶことです」

足ることを知る…仏教の教えがもとになっているのかもしれませんが、ブータンでは私欲をもつことはよくないことを招くと考えられています。これはことわざではありませんが、筆者が、ブータンでよく耳にした言葉だそうです。人をうらやんだり、ねたんだりすると、自分が置かれているしあわせに気が付かないのかもしれません。足りないものや不幸なことに目を向けがちな毎日ですが、実は、すでにたくさんのものを手に入れているのかもしれません。もう一度、自分が今もっているものをきちんと見つめ、それを慈しんでみませんか。

 

一人で頑張りすぎていませんか?

大勢で担えば

「大勢で担えば、天井の梁でさえ軽い。一人で担えば、毛糸でさえ重い」

ブータンでは、家を直すときも畑仕事も、みんなで手伝います。自分ひとりの力では、何もできないことを、きちんと意識しているのです。それは、他人に任せるというのではなく、自分の力を過信しすぎるあまり他人を軽視しないことを意味します。その方がよい結果がついてくることをブータンの人たちは知っているのです。一人でやりきることを美徳としていませんか。人に頼るのははずかしいことではありません。あなたの力も誰かの役に立っているはずです。

 

あなたはしあわせですか?

この問いに、多くのブータン人がこう答えたそうです…

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「あなたが幸せなら、わたしも幸せです」

出典:徳間書店 福永正明 監修「世界一しあわせな国 ブータン人の幸福論」
写真・筆文字/酒井このみ